燕の1日

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「ここ四五日前……あ?一週間前か?……まぁ、それくらい前から辻斬りが起きてな。一晩に三人以上は道端に転がってる始末だ。一昨日なんかは、六人だったか」 その、一番最初の曖昧な記憶力は果てしなく心配だけれども……。 「一晩に六人ですか?流石に多過ぎじゃあ……」 「あぁ。確かに多過ぎる。最初は複数の犯行だと思ってたんだが……報告によると、必ず背中に真一文字。そして心臓一突きらしいからな」 うわ……。 えげつな……。 「背後からの攻撃。それも一瞬のことだからな……。悲鳴をあげる時間もねぇ」 成程……助けを呼べないのか。 「それはまぁ……厄介ですね」 「あぁ。まぁな」  
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