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「土方さんらしくありませんねぇ。土方さん、【鬼】なんでしょ?なら、私を利用してみて下さいよ」
「………っ!」
私の言葉に、土方さんの目が見開かれる。
「利用出来るものは利用する、でしょ?土方さん」
もう一押し……かな。
土方さんはきつく袴を握り締めている。
「私、鼻がいいんです。誰かを殺した後なら、血の匂いでわかります。だから……ね?」
ふわりと笑ってみせれば、土方さんは悔しそうに舌打ちする。
「なら燕……。お前に、囮役を命じる。これで死んだりなんかしたら……ぶん殴るからな」
「はい」
優しいなぁ、土方さんは。
────私の方が、鬼みたい。
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