燕の1日

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タタタタッ タタタタッ うん、小学校の頃雑巾掛け競争したなぁ。 ……懐かし。 「やぁ、朝霧さん」 「あ、近藤さん……」 目の前に影があると思ったら、近藤さんだったんだ。 「いつも女中のお手伝い、すまないね」 「いえいえ」 「しかし……キミは総司の小姓だろう?そんなキミが、女中の仕事を手伝わなくても……」 うん、私もそうしたい。 もうベッタリと組長の傍にいたいのに。 「私、居候の身ですから」 それじゃなかったら、絶対組長の傍から離れないと思う。 「おぉ、そうだ」 「?」 近藤さんは私の視線まで屈むと、懐から何やら取り出す。  
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