タイムスリップ

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      *** 学校からバイトへ向かう途中、梨奈と別れ、お気に入りの場所である川へと足を運んだ。 懐かしいなぁ……ここでよく、父さんと遊んでもらったっけ。 『タイムスリップでもしたら?』 梨奈の言葉が、不意に脳裏を過ぎる。 タイムスリップ、か。 もし……もし、タイムスリップしたら── 「そしたら、絶対に救ってみせるのに……」 言った後で、後悔する。 私は、父さんを助けられなかったのに。 馬鹿馬鹿しいと頭を振り、その場から離れようとした時。 ピカッと、稲妻が走った。 「え……雨なんか降ってないのに……」 気付けば、辺りはいつの間にか暗くなっていて、少し肌寒い。 「急がなきゃ……」 雨が降る前に、バイト先まで行かなくちゃ。 お金がないんだから、少しでも稼がなくちゃならない。 ピカッと、また。 雷が近くで鳴る。 つい足を止め、膝を抱えてしまった。 「父さん……」 呟いても、何も起こらない。 ふと顔を上げた時、真上から眩しくて目も開けられない程の閃光が向かってきた。 「え……」 瞬間、私の意識は途切れた。  
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