零章

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サンサンと降り注ぐ太陽の光が、仮面ごしでも少し眩しい 時折吹く風が、広大な草原を翔けぬける 『このへんか…』 天龍は草原の中心であろう場所で立ち止まり、大きな魔法陣を展開させた 《遥か悠久の時を生きし龍よ……我に世界の姿を見せたまえ……降臨せよ…鎖龍(チェインドラゴン)》 天龍の永唱が終わると、凄まじい風が吹き荒れけたたましい雄叫びが響く 「グオオオオオオォ!!!」 耳をつんざくようなその雄叫びは、どこかしら歓喜の感情を感じることができる 次第に風は止み、体に鎖を巻き付けた巨大な深紅の龍が姿を現した 『よう…』
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