零章

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『終わったな』 天龍は鎖龍の頭の上で座りながら言う 「わざわざ術を使わなくともよいものを……」 先程の魔法は天龍が発動したものだった 鎖龍の言葉に天龍は『いいんだよ』とあしらった 『んじゃそろそろアルカディアに帰還するか…』 そう言うと天龍は、頭の上から降りた 「なら我は転換(コンバート)しなくてはな…―…転換!!」 鎖龍の体が光り、光がおさまったころには、天龍と同い年ぐらいで、赤く長い髪に青い瞳を持つ、清楚な女の子に変わっていた 「よし…これでいいだろう」 天龍は一瞬びっくりした顔をしたが、すぐに納得した顔に変わった 『そいや女だったな…忘れてた……まぁいいや…また力貸りるぜ?』 天龍は鎖龍(女の子姿)に手を出し、お互いに固く握手をした 握手を解くと、天龍が口を開いた 『とりあえずその姿の時は……〔梨鎖リサ〕って名前でいいか?』 「梨鎖…いい名前だ…―…天龍…あのことにまだ責任を感じているのか?」 『……あぁ…』 「そうか……」 梨鎖は少し悲しげな表情を浮かべた
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