雨。
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「…っ、くしゅ…」 雨の中、私は一人で恋人を待っていた。 仁王くんは人に呼ばれて、私は一緒に帰るために正門で傘もささずに立った。 ――寒い。 でも、一人で帰りたいとは思っていなかった。 仁王くんを待たなければいけないから。 「……仁王くん…」 雨の音で相手を呼ぶ声が消えていく。 ぼーっとしてきた。 何分待ったのでしょうか…。 仁王くんは――来ない…。
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