線香花火

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「や~ぎゅ♪今日家に来ん?花火しよ」 「……えぇ、いいですね。お邪魔させていただきます」 少し悩んだ。 大好きな人からの誘いに。 それには理由があって…。 「や~ぎゅ♪線香花火でええ?」 「はい。ありがとうございます」 相手から線香花火を受け取った。 「どっちが長続きするか勝負するぜよ」 「えぇ。負けませんからね」 暗い庭に2人が座り、線香花火がパチパチと踊る。 それはとても綺麗で…。 私はずっとそれだけを見つめていた。 「…あ~…落ちた…」 先に花火が消えたのは仁王くん。 私の花火はまだ暗闇の中、踊っていた。 悲しげに一人で。 「柳生のよぅ続くのぅ…」 「……コツがあるんですよ」 そして消えた。 暗闇の中に2人。 仁王くんはコツを教えて欲しいのか、線香花火を差し出してきた。 私はいつものように微笑んで受け取った。 .
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