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「……はぁ?付き合わないと柳生を?!」
何、呼び出しといて…
脅しか…この女…。
女に呼び出された。
いつものことだ。
だが、今日は少し違った。
「仁王くんが柳生くんのこと好きなの、知ってるよ?」
「……それが…?」
引かないのか?と思いながら適当に言った。
「だからね…付き合ってくれないと、柳生くんを他の男に抱かせるよって話♪」
「……っ!?」
柳生が…他の男に…??
それだけは嫌だった。
俺だけに見せる柳生の表情と身体は俺だけのもんぜよ!
誰にも見せん!!
「……で?付き合えばええんか?」
「早いね。そうよ、今から」
「柳生は誰にも渡さんぜよ…」
「…ふふっ、それじゃ…キスして?」
「な、なんでじゃ!?」
「もう恋人よ?だから…キスくらいいいでしょ?」
こいつの目…
しないと柳生を襲わせるって言うようになっとる…
……くそっ…。
柳生…すまん…
唇をゆっくり重ねた。
その時、それを柳生が見てるなんて知らずに…。
「…抱いて、雅治」
「………」
毎日それが続いた。
名前で呼ばれて…身体を重ねて…。
柳生とはあれから何もさせてくれない…。
キスも…身体を重ねることも…。
無理矢理笑ってるようにも見えた。
何も言わずに女を抱く。
抱く度に柳生の身体が恋しくなる。
柳生のがもっと気持ち良かった。
柳生のがもっと気持ち良さそうにしてくれた。
柳生のが…柳生が…柳生は…―。
全部を柳生と比べて、
柳生を思って…。
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