中川拓哉という人

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『…オレのこと、好き?』 あれから数日。 「拓哉!」 少しでも何か知りたくて 「たーくーや!」 追いかけ 「お昼、一緒に食べよ!」 追いかけ 「綾瀬」 「…未央って呼んでって言った!」 追いかけ続ける日々。 「ねっ!拓哉はさー、甘いもの好き?」 「んー…甘過ぎはちょっと、未央は?」 今…今…っ! 「拓哉が、未央って言ったぁーっ!」 嬉しい! 「ねっ!キスしてっ!」 「ダメ」 「うー、なんでぇー?」 どんな質問にだって答えてくれるのに、キスだけはしてくれない。 完全な私の片想い。 「ん?…なんか廊下騒がしいね」 「本当だ」 「ちょっと聞いてくる。彩~、なんの騒ぎ~?」 「あ、未央!ちょっと見てよ。この時期に転校生だってー」 転校生…だからか。 「へー…」 「それが、女なんだよー…チッ。千代田 日和(ちよだ ひより)だと。かなり、ふわふわした感じでさぁ、さっきから男子が構いっぱなし…で、この騒ぎ」 「な、なるほど」 それはそれは…。 「ったく、男子も騙されやがって…ね、未央!…って、あれ?」 「ごめんっ彩~!私、拓哉待たせてるから~」 ヤバい。ヤバいって!
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