中川拓哉という人

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「…まぁ、そうですけど。」 「千代田 日和、2年4組に転入した。弓道は経験者だから、足は引っ張らないとよ」 は━━━? 千代田 日和? 「はじめまして、よろしくお願いします」 差し出される手。 混乱する脳。 「…こちらこそ」 ━━━……‥ 「拓哉が…何?」 「…なんでもねぇよ。ただ、やめといた方が、いいってだけ」 「…何、それ」 変だよ、凌。 「未央」 「拓哉!…どうしたの?顔色悪いよ?」 「未央」 「…んふっ…」 唇に、覚えのある感覚が広がる。 いきなりのキス。気持ちがないことは分かってるのに、酔いしれる。 「…拓哉…んっ…好っき…だよ…」 苦く甘い酔いは━━━━ まるで嵐の様に回りを巻き込み 歯車を、狂わせる。
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