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「…本当に待ってた」
「?何言ってんだよ。当たり前だって」
ごめんなさい。
「凌っ」
ごめんなさい。
「ん?」
「…ごめん」
「何?」
凌が向き直す。
凌…真剣だ。
「その…好きな人できた。…別れて…ほしいの。だから、ごめんなさい」
「え……は?!…冗談だよな」
「冗談じゃない」
「………」
「私…帰るね」
少しでも早く、夕日に染まる外に体を浸したかった。
全てが、許される気がした。
「凌…?危ないよ。いきなり腕掴んで」
「…オレのこと、嫌いになった?」
「ううん。好きだよ」
「なら…」
「でも、凌への好きは、恋愛じゃないって気付いたんだ。…その…好きになった人のこと見たとき、私すごくドキドキした」
『綾瀬、だよな』
「…そっ…か」
顔はみなくても、スルッと力が抜けた凌の手が、凌の心情を私に物語った。
そのときの、凌の離れていく足音は、嫌な程に耳に残った。
「あれ?未央っ…何してるの?凌と帰ったんじゃ…?」
「…彩!スタバ行こう」
「え…?いいけど…」
「ぶっっ!…っ!はぁ!?好きな人できただぁ!?」
「ちょっと、彩」
…汚い。
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