回りはじめた歯車

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「っ!」 「何してるの?綾瀬」 真っ黒で何も写してない吸い込まれそうな瞳。 「拓哉くん…」 整った顔。 すっとした眉、綺麗な瞳、それに…薄くて整ってて…柔らかい唇。 私…あの唇に…キスされたんだ。 「……っ〃〃」 何、思い出してんの!?私っ! 「思い出したんでしょ。キス」 「へ!?違っ…」 なんで分かるの!? 拓哉くんの冷たい手が、私の頬に触れる。 「…オレのこと、好き?」 あのとき「うん」って言わなかったら、どんな未来が用意されていたんだろう。 好きになった分だけ傷つく恋をしなくてすんだのかもしれない。
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