ダンボール

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小さな空き地に積まれたダンボールの山で、僕は生まれた。 まだ少し目が開く程度で何も見えないでいるけど、お母さんと3匹の兄弟がいるのはわかるんだ♪ どうやら僕は一番最後に生まれたみたいで末っ子らしい。 僕が眠りそうになるとお母さんが頭を舐めながらいろいろと話をしてくれる。意味はあまりわからないけど大事なことなんだって。 ダンボールの外には僕達を見ると追いかけてくる犬とか、空を飛んで襲ってくるカラスがいるらしい 空ってなんのことかわからないけど、青くて広くて明るくなったり暗くなったりするみたい。早く見たいな♪ それと一番怖いのは人間!ビックリするくらい大きくて、僕達を捕まえてどこかに連れて行くらしい。とっても怖い生き物だよね! だから僕達はダンボールの中でお母さんが帰ってくるのをジッと待ってるんだ。
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