Zero Story

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今宵はクリスマス 街を行き交う人々は笑顔に満ちている 「今日はクリスマスか みな幸せそうじゃの」 外をゆっくり見つめる歳老いた男 この男はこの孤児院の院長だ 「じいや!大変だよ」 慌てて歳老いた男の部屋に入りこむ少年 じいやとは歳老いた男のことのようだ 「どうしたんじゃ?」 少年の慌てている姿に驚きながら聞くじいや 「院の入口に男の子の赤ちゃんが…」 少年は息切れをおこしながらも必死に伝えている 「なに?今そこに行くからおぬしは赤ちゃんのためにここを暖かくしておいておくれ。」 そう言うが早いかじいやは院の入口へと走っていった 「ウギャウギャ」 院の入口に行くとカゴにの中で男の子の赤ちゃんが泣き叫んでいた 「これは…」 赤ちゃんのカゴの中には手紙が入っていた ---------- この子の名は ルーク と言います ある事情により手放さなければなりませんでした。 どうかルークを私達の分まで幸せにしてあげてください。 ----------- というとても短い文で書かれていたものであった 「…ルーク」 じいやはルークを抱き上げた 「ウギャウギャ」 未だ泣き叫ぶルーク 「ん?」 よくみるとルークの首には指輪がかかっていた 「…離れていてもおぬしは両親の深い愛に包まれているんじゃな」 空を見上げなにも見えない空に向かって呟いた _
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