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…。
何も言わなかった。
何も言えなかった。
「えっと…それはどんな感じな作戦ですか?」
山本さんが恐る恐る聞いた。
「簡単だ。
山本さんが学校の廊下の曲がり角で、相手の男にぶつかればいいんだ。
ぶつかった後は、流れが自然と仲良くしてくれるだろう。」
どうだ!と言わんばかりに僕を見てくる。
「そんなうまい流れなんてあるのか?
ぶつかって『ごめんなさい』で終わるだろうよ。」
「マサよ、何言ってんだ。
曲がり角は常にDestinyなんだよ!
曲がり角のドーンにどれだけの魔力があるか、お前は知らないだろう?
そう、あれは三年前の冬だった。その日俺は~。」
何か語りだしたぞ。
聞くのがめんどくさいので放っておく。
そして復活したトシが山本さんに聞く。
「で、どうする?
今の作戦でいってみる?」
「そ、そうですね。
今のところ、リョウさんの案くらいしかできそうにありませんし。」
「よっしゃ、そうと決まればさっそく実行だ。
明日の登校の時にぶつかっちゃいなよ。
善は急げだ。」
「バカめ。
これだから素人は困る。」
語り終えたリョウがトシに言った。
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