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またもや僕は何も言えなかった。
代わりにトシが聞く。
「その後どうだった?
大丈夫だったのか?」
「えへへ、大丈夫でした。
昔から頭は頑丈なのでそんなに痛くなかったです。」
恥ずかしそうに話す山本さん。
「いやいや、そうじゃなくて騒ぎにならなかったんか?」
「あー…その場は、こ、恐くなって逃げちゃいました。
あ、でもでもっ、姿は見られてないと思うので問題ないですっ。
その後も特に話題にもなりませんでしたし。」
問題はありまくりだろうが、騒ぎにならなくてよかったかな。
「騒ぎになっていた方が良かったかもな。」
リョウが言う。
「へ?どうしてですか?」
「騒ぎになった方が関係が作れるからさ。
少なくとも会ったら話す程度の関係にはなれるだろう。」
「おー、なるほどー。
確かに私と鈴木君は、未だに話したことのない、ただのクラスメイトですからね。」
山本さんが深く納得したように頷く。
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