一章『女の子が泣いています。』

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「ふぅ…今日さ、大学で女の子にパンツ見せてって言ったら、思いっきり殴られたんだよね。 だから、君もくよくよしないで元気出して☆」 『キラッ』という効果音が似合いそうな顔をしているバカの頭に、僕とリョウの蹴りが突き刺さった。 「あいつは、大学でもさっきと同じことしているのか。」 と、呆れていたらリョウが 「あんな変態に任せた俺らがバカだったぜ。 俺が行ってくる。 事情を聞けばいいんだろ?」 さっきのトシに比べると、リョウがとても頼もしく見える。 「ん?ああ。 でも、僕は関わらない方がいいとは思うんだけどな。」 「ばかやろう! もしかしたら、悩みを解決したお礼に、お付き合いできるかもしれねーだろうが!」 そうだ。 こいつもバカだったのだ。 いや、まぁ僕もそういうやましいことを、考えていなかったわけではないんだけど。
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