一章『女の子が泣いています。』

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「ふん。最低だな、あいつは。 解決したお礼に彼女になってもらうなんて、情けなさすぎるぜ。 まだ俺の、お礼に胸を一揉みのほうがマシだな。」 いや、そっちの方が最低じゃないか? つっこむのもめんどくさいので放っておく。 リョウの方を向くと、いつの間にかリョウが女の子に話かけていた。 「大丈夫? 何か悩み事でもあるのかな? 俺でよかったら話だけでも聞くよ?」 「え? あ、いや、何でもないよっ。 ちょっと目にゴミが入っちゃっただけだから。」 「いやいや。 誤魔化さなくていい。 俺は、君の涙の理由が知りたいんだ。」 おお。 自然と臭いセリフが出てきたぞ。 さすが運命の出会いを求めてるロマンチストだ。 まあ、ただ単に痛いだけなんだけど。 「うー…。 どうしよう。 たった今知り合った人に言うのは、恥ずかしいな。 でも、他に頼りになる人もいないし…」 女の子が、もじもじしている仕草を見てリョウがニヤニヤしている。 せめて今くらいはその顔隠しとけって。 リョウがそんな顔をしていることにも気づかず、女の子は突然立ち上がった。
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