妄想力と創造力

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綾奈は永久の足元へ向かって人差し指を指す。 永久は綾奈の手の動きに合わすように自分の足元を確かめる。 「この本は確か…夢でいつも僕が持っていた本じゃないか」 そう、永久の足元に落ちていた本は分厚くて茶色の本である。 ただ、夢とは違うのは少し古びてはいるが泥などはついてなくまだまだキレイと思える事だ。 本を拾いあげながら背表紙に目をやる永久。 「『Creator・The・Book』だって?」 本の背表紙にはそうかかれていた。 クリエイター・ザ・ブック。初めて自分の意思で手にしてみた本だが、永久には何故か懐かしい気持ちが込み上げてきた。 「クリエイターは皆自分の意思でその本を出す事ができるわ。 本が今手元にある事を強くイメージしたら本は現れるの。 貴方はちょっと変わってるけどね」 綾奈は意外にもお喋りなのかもしれない、勝手に本の説明をしてくる。 「それで、僕にこれからどうしろって言うんだよ?」 自分の置かれている状況がのめない永久は、これから何をしたらいいのか分からない不安で一杯だった。
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