2人が本棚に入れています
本棚に追加
自分が何者かなんて考えた事などなかった。
イジメられっこ?
ただの妄想好き?
クリエイター?
永久にいくつもの考えが巡る。
自分は一体何なんだろう、現実世界からも創造世界からも追い出されたら自分は一体どう生きていけばいいのだろう?
そんな事を考えていると 泣きたくもないのに永久の目から自然と涙が零れおちてきた。
「涙? 貴方…泣いてるの?」
綾奈の問い掛けに直ぐに応えれない永久は肩を震わせながら下を見る事しかできなかった。
「わかった。貴方が答えないならそれでいい。
ただ、一つだけ頼みたい事があるの。」
「頼みたい…事?」
やっと顔を上げた永久は綾奈の言葉を聞き返す。
「そう、頼みたい事。
でも今の貴方に話してもだめ。 少し頭を落ち着かせてから話すわ。
お昼休みに屋上で待ってる。」
綾奈はそれだけ言うと目を閉じた。 その瞬間訪れる本日三回目のノイズ。
ザザッザーッ
途端、永久は空間が歪んでいくのを感じた。
そして歪みゆく空間の中、夢で見たのと同じまばゆい光が永久を包み込む。
反射的に目をつむる永久。
結局何も分かる事のないまま歪みゆく空間の中で永久は呟いた。
「クリエイターって一体…」
そして現実世界へと戻される。
最初のコメントを投稿しよう!