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次に永久が目を開けたのはいつもの教室の中。
普段と変わらない授業中の光景。
いつもと違うと言えば目の前に机がないくらいだ。
《ここは…現実世界だよね? 一体どれくらい現実世界から離れていたんだ?
それに、どこから創造世界だったんだよ…》
永久は思いついたように時計を見る。 自分がどれくらいの時間、創造世界に入っていたのかを確かめるためだが…
《9時12分!? 嘘だろ!
最低でも30分はあっちに行っていたと思うのに…
全く時間がすすんでないじゃん!》
永久が妄想にふけったのが授業開始から10分程たってからだったのに対して今の時刻が授業開始から10分少々しかたっていないと言うのはあまりにもおかしい現象である。
少なくとも9時30~40分でないと体感的におかしくなる。
《あっちでは時間は進まないのか?だとしたら僕がいつもしてる妄想とは全然別の世界なんだな》
流石に最初は戸惑い、取り乱したりもしたが意外ににもこの事実を受け入れる永久。
ここまで考えて、ふとある事に気づく。
《そうだ!綾奈だ!》
永久は綾奈が座っていた窓際の席へ目をやる。
案の定そこに綾奈はいなかった。
綾奈の変わりに小太りの男が机の下で隠れてマンガを読みながらニヤニヤしている。
《まぁ、いないよね。
彼女は一体なんなんだろう?
一応うちの制服着てたしこの学校にはいるんだろうけど…。 それに、頼みたい事ってなんだ?昼休みに屋上…か。
それまで少し頭の中を整理しとかないとな》
永久は元々このての話しは大好きだ。
SF。 ファンタジー。 映画やマンガの中の出来事が起こらないかと幼い頃から望んでた永久。
自分でも知らないうちに恐怖心よりも好奇心の方が勝ってきていたのだ。
取り合えず授業が終わったら机を手に入れようと思いながら、『現実世界で』考えを巡らせる永久であった。
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