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只今の時刻は8時32分、
8時40分の朝礼には間に合う時間に学校に到着した。
永久のクラスは1年3組。
4校舎あるうちの1番グラウンドに近い校舎の2階である。
4校舎といってもあとの2校舎は旧校舎となっており現在では使われていない木造の校舎で、とても気味が悪く今では不良のたまり場となっているわけだけだが
「ふぅ、なんとか間に合ったなー 少しのんびり歩きすぎたかな!」
永久の家から学校までは10分程の距離のはずなんだが、永久は20分ぐらいかけて歩く。
幼い頃から妄想力が強く、常に警戒しているため何をするにも時間がかかるのだ。
永久は教室のドアを開けて周りを見渡す。
「あっ
…また僕の机がない。」
クラスの皆がクスクス笑っている声が聞こえる
永久が常に警戒しているのは別に考え過ぎるからだけではない。
イジメにあっているのだ
永久はあまり周りの目を見ないように教室の中を見渡して机を探すが、どこにも自分の机は見当たらなかった。
唯一見つかったものは
ごみ箱の横に並べられていた椅子だけである。
《一体どうやって授業を受けたらいいんだよ。僕が何したって言うんだ。》
永久は椅子を自分の机があったはずの場所までもってくると何も言わずそのまま座る。
その時担任の先生が入って来たみたいで教室のドアが開く音が聞こえた。
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