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ガラガラー
「皆座って下さい。HRはじめますよー」
担任の名前は木村 瞳。
気の弱い生徒に頭の上がらない女教師だ。
心なしか、ドアを開ける音や先生の声はいつもどこか遠慮がちだ。
永久は真っすぐ先生を見つめ心の中で助けを求める。
永久と目が合う先生。
永久は決して自分から動くような人間ではない。
今でも先生の救いの一言を待つのみであったのだが…
「で、では今日の連絡事項を皆さんに伝えますね」
何事もなかったかのように進められるHR。
先生も人間だ、厄介事には関わりたくないみたいで余り永久を見ないようにしている。
《あぁ、先生も頼りにならないし僕は一体何に頼ったらいいんだろう》
周りには誰も相談出来る人や友達がいない永久はこの状況をあと2年以上堪えなければいけないのであった。
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