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しかし、ここで違和感。
《あれ?皆さっきの子の声聞こえたのかな? 勝手に教室から出てった感じに見えるのに誰も反応しないって…》
そう、彼女の行動に気づいたのは永久だけなのだ。
ちなみに永久の席は教室の1番後ろの真ん中なので彼女の席は永久から見て右上、つまり1番前から2番目の右端の席だ。
《僕が気づいて皆が気づかない事なんて絶対ありえないよね…?
それにあの子……
誰だっけ?》
永久は記憶力は良いほうではないが、流石に皆の顔や名前くらいは覚えている。
その時本日二度目のデジャブが起こる。
ザザッザザッザーッ
ノイズである。 しかし先ほどと違うのはここが現実世界である事だ。
《またかよ!今日はなんだってゆうんだっ!!》
永久は驚きのあまり急に立ち上がった為周りからの注目を浴びることとなる。
「なんだよあいつ、妄想野郎が勝手な事すんなよ」
「本当よねー!気持ちわるー!アハハハハ
ー逃げだしたいー
クラスの皆が永久に向かってヒソヒソと悪口を言ってくる。
永久はなにか嫌な事や逃げたい事があると妄想世界に逃げる癖がある。
永久は咄嗟に目をつむる。
一瞬目の前が暗くなったあと、すぐに妄想世界へと入る。
いつものようにそこは永久の望んだ世界、空間のはずがいつもと何か違う事にきづく。
《なんで皆まだ僕をみているんだ?》
「おいっ!皆なんでまだ僕を見てるんだよ!!」
確かに妄想世界へとダイブした永久なのだが、ここは自分の思う空間ではない、現実世界と何も変わらない場所であった。
「おい!皆なんとか言えよ?!なんで黙ってるんだよ!
くそっ、ここはどこだよ?僕は頭がおかしくなったのか」
「いいえ、貴方は正常よ」
突然永久の頭の中に薄く消え入りそうな女の声がはっきりと聞こえた
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