来春

14/103
前へ
/116ページ
次へ
「馨君は………」 何も言えなかった よく考えたら私は馨君の事なんて 全然知らない はたから見れば 私と馨君は他人以上、友達未満 これが本当の馨君なのかも 「邪魔しちゃったのは謝ります…。 けど…こんな人だったなんて 幻滅です。こんな物… いりませんっ」 投げ捨てたのは 初めて馨君と話した放課後 告白された日 言葉と共に送られたネックレス ピンクのジュエルがついた シルバーのネックレス 嬉しくて嬉しくて 毎日絶やさず付けてた私の分身 悲しみのあまり 物凄い力で引っ張り ちぎってしまった コツンと転がるジュエル 「さようなら」 捨て台詞と共に保健室を出る 悲しみと怒りが交じって 自然と歩き方が変になる 「あーっ!!もうっ!!」 頭をぐしゃぐしゃと掻き回す 本当、幻滅…。 もう恋なんてしないっ 仕事に生きるもんっ!!
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

843人が本棚に入れています
本棚に追加