来春

3/103
843人が本棚に入れています
本棚に追加
/116ページ
2人きりで会えるのは一ヶ月に一度だけ 同じクラスなのに 女の子に囲まれた馨君の 背中をただ見つめるだけ 言葉なんて滅多に交わさない だって地味な私が 今をときめくアイドルなんかと 付き合ってるって知られたら 私の命が危ういでしょ? 本当は堂々と付き合いたいし 皆に見せ付けたい… けどヘタレな私には無理 それを馨君もわかってくれてる 何度この地味な正確を 変えようと思った事か… でもそんな私にも一つの自慢がある 水野雅は今 声優をやってます 大人気って訳ではないけど この声だけが私の唯一の自慢 「水野、ぼーっとすんな」 「ひゃう……」 教科書で軽く頭を叩かれる 周りからは笑い こんな事はよくある事で… 私ってドジって言う 分類の人間です; 「い、以後気をつけますっ;」 「何回聞いた事か…その台詞」 また周囲から笑い もぅ…先生の意地悪…
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!