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ただ喋るミカンを見つめていると、ピントが合わずにぼやけ出す。
目を擦り、もう一度見上げると、ピントが定まらず、ミカンの背後にあるロッカーが見えた。
何と無く眺めていると、ロッカーの上に紙が貼り付けてあるのが目に付く。
【桃園 桜 大会選出おめでとう!女子部員一同より】。
紙ではなくそれは旗。
応援旗のようなものだった。
それが壁に貼られている。
「どしたの?何見てるの?」
「いや、その旗に書いてある、モモゾノって奴がもしかすると呪いの正体なのかもしれない」
「へ?」
「行方不明になっててな、いじめられてたらしくて……」
「……そっか、そういえば私部室のロッカーの中に隠れてたんだけど、そのロッカーの持ち主の名前に桃って入ってた……かも……けど違うかな?」
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