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ちっぽけな男の意地。 泣きそうになってる癖に、僕は平気そうな顔をした。 「あー…分かった。ちゃんとチロリンチョコを揃えてから」 「分割で良い」 意地っ張りの格好悪い台詞を遮って、彼女が呟く。 震える僕の手に重なる柔らかな手。 「一日二つ。八十年払いで良いの」 僕の手に重なった彼女の手も、小さく震えていた。 なにが、チロリンチョコ一粒で何でも言うことをー、だ。 なにが、なにが。 幼かったとは言え彼女の気持ちに全く気付けなかった僕みたいな鈍感大馬鹿者は、チロリンチョコの角に頭ぶつけてチロリンチョコの海に沈んでしまえば良いんだ。
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