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……教えないって言ったけど教えたな。
『うるせぇ』
とりあえず帰るか。
一人で住んでた家の前に立ち改めて屋根まで見上げる。
「はぁーこんな大きい家相変わらず寂しいな」
『寂しい……か』
なんだよ?
『なんでもねぇよ』
変な奴。
家に入り適当に靴を脱いでから部屋に戻った。
「ん?」
……あれ?こんなクマのぬいぐるみ買ったっけ?
見知らぬアイテムをジーっと眺めるもなにもわからず机の上に戻した。
現在は午後3時土曜日なので学校は休み。特にすることもないので部屋着に着替えてリビングに向かった。
「………あれ?なんで僕リビングに来ちゃったんだろ」
気がつくと足がリビングに向かいソファーに座っていた。
「変なの」
頭をかきながらリビングを出ると自然と足は二階の部屋に向かっていた。
「……あれ?ここ空き部屋だよな?」
入った部屋は空っぽながら綺麗に掃除されていた。
『鈴の部屋か……うんうん。習慣って怖いよな』
スズ?習慣?なんだこれ?気持ち悪いぞ。
自分の体が自分の物じゃない気がして戸惑い始めた。
『まだ、本調子じゃないんだろ?とりあえず寝たらどうだ』
お、ナイス判断だ!こんな部屋さっさと出て自分の部屋に戻ろっと。
自室に戻りベッドに横になった。
結局、なにがなんだか分からなかった。わかったことはおそらく記憶が欠落していることと頭の中から変な声がすること。
『変とはなんだ!』
はい。こんな感じです。
そんでもってこの声の主は何でも知ってるらしい。ウソか本当かわからないけど。
「お休みみんな……ん?」
みんなって誰だよ?なんだよホントに!気持ち悪いよ!
布団を頭から被り固く目を閉じた。
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