新しい日々、モノクロの生活です……

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「おはよー」 教室に入るとクラスメイト達が驚きの表情で僕を見てきた。 「ユウト!?大丈夫なの?」 純と京が心配そうな顔で聞いてくる。 「全然大丈夫だよ」 「そうなんだ」 二人は安心したようにホッと息を吐いた。 「んーでもね少し問題が………」 「問題?」 「実は「記憶がない。それも一部だけ」 『相変わらず、彼女は勘が鋭いな』 純と京の後ろから深刻そうな顔をしながら言葉を被せて来たのは篠原さんだった。 「知ってるんですか?」 「勘です」 「えぇ!?記憶ないの?」 「はい。どうやら花咲姉妹っていう人達の記憶がないみたいなんです」 「そ、それは……」 雄仁の言葉に純と京は言葉が無かった。 「まったく、バカな奴だよ」 雄仁の後ろから聞こえてきた声はいつもの新ではなく真剣だった。 「思い出したりはしないの?」 「時間が必要らしいです」 「そうなんだ……」 周りの空気が重くなるのが嫌で笑って言った。 「だ、大丈夫ですよ!なんとかなりますって!」 「そうよ。落ち込んでても仕方ないんだから。それよりどうすれば早く思い出すか考えましょう」 様子を見に来た夕夏がみんなを元気付けるように言う。 「でもなーそれは新城の問題なんじゃないのか?」 「あ、竹先生」 振り向くと竹先生がダルそうにこっちを見ていた。 「それはないですよ先生。冷たくありませんか?」 純が抗議する。 「だけどよ花咲姉妹のことは新城が自分で頑張って思い出すから意味があるんじゃないか?」 「そ、それは……」 もっともな意見に全員が言葉をなくした。
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