序章 幼き日の約束

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 結論から言えば、この約束が果たされる機会は永遠に失われることになる。  その原因となったものは人の理解を越えた大きな騒動にあり、巻き込まれることによってお互いの立ち位置が大きく変化してしまったからであるという事実は疑いようもない。  だがそれでも、或いはこの幼き日の約束に明確な返答が存在していたならば、この結末は多少なりとも変わっていただろうか。  そう思わずにはいられないほどに重たい現実を背負わされることになるという事実を、神ならぬ身の2人はまだ知る由もない  少年アルベインと、少女リブラ。  後の世の在り方を変えるほどに狂った運命の導きにより、時代の流れに翻弄されることになる2人を中心とした、理不尽の物語の幕が今、上がろうとしていた……
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