恐れ

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「ねぇ、最近つまんなくね?」 「ああ、樋口?」 「あいつ全然泣かなくなったし、無視したって平気な顔で毎日学校来るしさぁ~」 「神経図太!!」 「調子こいて男でもできたとか。」 「ああ、転校したての時も由理の彼氏に色目使ってたしねー。」 「ちょっと!!それ、禁句!!」 「うそっマジ!?」 「…あの純情ぶってるとこがマジウザイ。ホントはケツ軽いくせに。」 「由理…」 「まあまあ、いいじゃんあいつの事なんてどうでも!! それよりさぁ、買ってきたよん♪」 「あー!!」 「Berialのアルバム!!」 「昨日ソッコーでゲットしてきました!!」 「いいな~!!聴きたい~!!」 「iPod入れてきたから聴けるよん♪」 ♪♪♪~♪♪♪ 教室に戻ると、聴き覚えのある歌が響き渡っていた。 …これって… あの曲だよね? やっぱりアイシさんの声だ…。 「Berial超イイよね!!」 「何それ、ベリアルって?あたし最近の音楽ついてけないや~。」 「私と由理が今めちゃくちゃハマってるバンド!!超曲良いし、声も良いし、何より…めっちゃイケメン!!」 「特にボーカルのアイシがさぁ…」 由里達の会話を盗み聞きしてしまった。 やっぱり…アイシって…あの人だよね!? 声も間違いないし… 由理の部屋で聞こえた曲も、そうだった。 でも、なんでそんな有名人があんな所に…? …真相を確かめたい。
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