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「よぉ、起きたみたいだな。
にしてもお前が依頼しくじるなんて明日にでも槍が降るんじゃねぇか?」
一人の男が開いたドアから顔を覗かせ、上体を起こしてバジルと話をしている俺を見てそういった。
「常闇か…
どうしたんだ…?」
珍しい来客に俺はその意味を掴めずに居た。
「常闇様があなたを運んでくださったのですよ。」
なるほど。
今のバジルの返答で一つの疑問は消えたが新たな疑問が浮かぶ。
それは接点の殆ど無い常闇が何故俺を助けたのかと言うことだ。
「まさか、依頼の最中に魔物に襲われかけていたギルド員に出くわすなんて思ってもなかったぞ?」
どうやら常闇も俺を覚えてくれて居たようだ。
「接点の少ない俺を覚えててくれて嬉しい限りだ。」
「雷帝って近づきがたいイメージあったけど意外と話しやすいな?
せっかくだから仲良くしようぜ?」
「ああ。
せっかく同じギルドだしな。」
先程からいくつか不思議に思われただろうが、このギルドでは依頼を受ける者は皆、二つ名で呼び合う事になっている。
主に漢字二文字で呼ばれる者はランクがBから最下位のEまで、Aから最高位のX、そしてギルドマスターは別の二つ名がある。
ランクは下からE、D、C、B、A、S、Xにランク分けされている。
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