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「そもそも、配下にエルストリアが居たことも不思議ではあるな。
普通なら配下にはエルターがついているはず。」
エルターはグルズの小型版のような姿をしている。
見た目以上の腕力と俊敏さが厄介なランクD~C程度の魔物だ。
「とりあえずマスターに話しておくよ。
また無いとは限らないしな。」
まだ痛む体を無理矢理起こして立たせ、ギルドマスターの部屋へと移動する。
部屋に着きノックをすると戸が手も触れないのに勝手に開く。
「マスター、今回の依頼未完申し訳ありません。
今日は魔物について話しておきたい事が…」
そういうとマスターは書類を書く手を止め、俺を見る。
歳は40前後のかなり筋肉質な体をしている。
しっかりと整えられたヒゲが風格を漂わせている。
「そのことならすでにメガネから聞いた。
それよりもおぶほぉ!!」
突然眼鏡をかけた若い女性がマスターの真横の扉を蹴破り、その扉がマスターの顔面に直撃した。
「何回言えば分かるんですか?マスター…
私をメガネって呼んだら命の保証はしませんよっていいま………」
マスターの胸倉を掴んだまま凄みを効かせてマスターを脅している女性はこちらを見ながら苦笑いしている。
「エ、エリシアちゃん…?
少しうぶっ!!」
今度は鳩尾に抜き手をかましたようだ。
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