カナト
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ガサガサと茂みを歩く音が森に響く。 しかし音はすれど姿は見えない。 しかし歩く音は迷っている風ではなく、目的地を目指し真っ直ぐに進んで行く。 そしてふと、大きな樫の木の下で音が止む。 大きな樫の木の枝には一匹の茶虎の猫がうずくまっていた。 「やぁ、カナト。元気かい?」 カナトと声を掛けられた茶虎の猫はパタリと尻尾を枝に打ちつけると、ヒラリと枝から飛び降りた。
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