カナト

5/5
前へ
/10ページ
次へ
「カナト。何が気になるんですか?」 キトラが優しく尋ねるとカナトはちょっと躊躇いながら口を開く。 「なぁ、キトラ。これどうやってつけるんだ?」 カナトは言いながら少し恥ずかしそうにしていた。 そんなカナトにキトラはニッコリと笑みを浮かべると、小さな留め金を指差し、 「コレを外して首につけてまたコレを鎖につけて止めるんですよ。」 「そうなんだ!でも今つけたら戻ったら取れないかな?」 「そうですね。ならその首輪につけてあげますよ。」 言いながらキトラはカナトの青い首輪にスルスルと鎖を絡め、石がちょうど真ん中に来るようにするとパチンと留め金を止める。 「ありがとな!キトラ!」 「どう致しまして。さて、カナト。お母様の所に行きましょうか?今日はお母様に呼ばれていますしね。」 「あ!そうだった!俺先行って母さんに言ってくる!」 そう言ってカナトは猫に戻り森の奥へと走って行く。 「やれやれ、カナトは相変わらずのせっかちさんですね。」 キトラはクスリと笑うとゆっくりと森の奥へ歩きだす。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加