歌姫と拒絶

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歌姫と拒絶

「お前はもう歌わないのか」 「どうして?」 「勿体無いと思う」 「わたしが歌えば、あなたはわたしを大切にしてくれるでしょうね」  そんなのあんまりだわ。  歌姫はそれだけ言って、静かに微笑むだけ。笛吹きはよく分からないまま、歌姫をじっと見つめた。それは、笛吹きの一番苦手なことだ。見つめる。  それでも何も分からない。
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