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ズバァァァン。
ミットにボールが収まった。
0.01コンマの世界。
貴史が要求したのは内角のストレート。
菊地は手を出さなかった。
周りにはどよめきが起こっていた。
「149Km…。凄いな。」
「竜也!球速くなってるなぁ!」
「うるせぇ!早く座れ!」
2球目は菊地もかろうじて当てたが、ボールはバックネットに当たった。
「由紀!あれって竜也君じゃない!?」
「ホントだ。なんで野球やってんだろ?」
由紀たちもその状況を見つめた。
もちろん俺にはわからない。
俺は最後の球を放った。
いつもより気持ちい球が走る。
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