10/29
前へ
/51ページ
次へ
ズバァァァン。 ミットにボールが収まった。 0.01コンマの世界。 貴史が要求したのは内角のストレート。 菊地は手を出さなかった。 周りにはどよめきが起こっていた。 「149Km…。凄いな。」 「竜也!球速くなってるなぁ!」 「うるせぇ!早く座れ!」 2球目は菊地もかろうじて当てたが、ボールはバックネットに当たった。 「由紀!あれって竜也君じゃない!?」 「ホントだ。なんで野球やってんだろ?」 由紀たちもその状況を見つめた。 もちろん俺にはわからない。 俺は最後の球を放った。 いつもより気持ちい球が走る。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加