13/29
前へ
/51ページ
次へ
「由紀!待ってよ!竜也君にやり過ぎだよ。」 由紀は振り返り、亜樹の胸に飛び込んだ。 泣きじゃくる由紀の姿に亜樹は頭を撫でる。 「だってたっくん、幼稚園の頃、甲子園連れてくって言ったんだよ!!もう忘れてるなんて、最悪だよ!」 「竜也君だっていろいろとあるんだよ。なら野球やる気持ちになるまで、ほっとけば!?」 「ダメだよ!たっくん逃げちゃう!」 するとたまたま、竜也の母が通った。 どうやら散歩らしい。 由紀を見るたび笑顔で近寄って来る。 だが、由紀の表情を察知したのか、必然的に心配な顔になる。 「由紀ちゃん!どうしたの!?竜也に何かやっちゃった!?」 「私が悪いんです!!でもたっくん、野球やりたくなくって…。」 「だったらおばさんが交渉するわよ!何で早く言わないの?おばさんならすぐなのに!!」 由紀の顔に笑顔が戻った。 たわいもない話をした由紀たち。 少し経って別れ、帰路についた。 「由紀、明日が楽しみだね!!」 「そうだね!」
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加