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「ただいま。」 俺は家に入り、直ぐさま2階の自分の部屋に入った。 机にあるボールに手を持った。 さっきの感触が忘れられない。 「竜也!!」 母さんが呼んでいた。 さっき由紀と会ってたなんて知るよしもない。 「あんた早く風呂入りなさい。後、由紀ちゃん泣かすんじゃないわよ!あんたの好きな野球でしょ。やりなさい。」 俺は母さんの話を聞くなり、すたすたと風呂場に向かった。 まじ、どいつもこいつも野球野球うるさすぎ!! 「やっぱダメかぁ。今日夕飯抜きだな。」 練習に鬼はいるが、家庭にも鬼がいるかもしれない。 竜也は身体を洗い、湯舟に浸かった。 いろいろと考え事をしてしまう。 やっぱり野球のこと。 由紀のこと。 由紀とは小さい頃から一緒だし、考えていることもわかる。 でも今日、あんなに悲しい顔をした由紀は初めてだった。
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