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「なぁ竜也、あの先生野球部顧問だって。」
「しるかよ!俺は野球部に入らないって決めたの。」
俺の意志は堅かった。
もう野球なんてやりたくない。
あんな練習は懲り懲りだった。
そこそこ良いピッチャーになった。
でも軟式だから、硬式ではまだまだ通用しない。
「話は以上だ。小池、小山菊地!後で俺の所に来い。」
やっぱり野球か。
でも、菊地って聞いたことあるぞ。
「小池、お前野球部に入れ。」
「そうだよ竜也。一緒に甲子園目指そうぜ!」
ごめんだ。
俺は近くの椅子に座った。
何で俺だけこんな事言わなければならないのだっ。
「野球はやらない。朝日中でやった野球は誇りに思う。でも、高嶋まで来て野球なんてやりたくない。」
すると横にいた菊地が口を開く。
「そうやって勝ち逃げか。逃げる気持ちはわからんが、良い気分ではないだろうな。」
「てめえ意味わかんねえよ?でけぇ口叩きやがって。」
俺は胸倉を掴んだ。
咄嗟に貴史と先生が止める。
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