ジンライムはあなたの香り

ずっと一緒

あと一ヶ月で私は４０歳になる

アラフォーど真ん中だ

『先生はもう４０歳になりましたね』と私は料理をしながら、京四郎さんに話しかけた

『出会ってから３年か…そろそろいいんじゃないのか？』

『なにが』

『結婚だよ。マンションからここに移ってこい』

『いいの？』

『空き部屋はあるんだから、藍原ちゃんはそこで仕事したらいい。あとは仕事のために自由に過ごして…といいたいが、我慢するとこはお互い我慢して生活していくんだ』

『先生らしくない台詞』と私は笑った

どうやらお互い、年貢のおさめどきみたいである

歳も歳なんで結婚式はしない。時間があるときに指輪を買って、婚姻届けをだすことにした

沢村太郎は去年、会社の人と結婚して甘い新婚生活を送っている

私達は甘くなるか、辛くなるかは神のみぞ知るだが、わかってるのはジンライムのようなキリリとしまった香りの生活になるに違いない

なぜって、いつも一日の終わりは一杯のジンライムでしめてるから

あの人の香り…ずっとそのままでいてほしい