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私は藍原梢、37歳
悲惨な学生時代をすごしながらも、今は恋愛小説家という職業で生計を成り立てている
相変わらずメガネ女だが、なんとなく顔は化粧でまともに見える
今日もパソコンに向かって原稿を仕上げていく
『先生、いい展開になってきましたよね。読者も期待してますよ』
と担当者のリカちゃんが私の後ろで励ましてくれる
水永リカ、26歳。私の担当になって二年である
『ねえ、リカちゃん。今回の連載終わったら旅行行きたいんだけどなぁ』
『いいと思いますよ。気分転換にピッタリ!で、どこにいくんですか?』
『奈良とか京都行きたいなって』
『これから秋ですからね。紅葉なんていいですよ~長谷寺なんていいかも!』
『あら、いったことあるの?』
『ええ!どの時期にいってもいいですよ。ステキなお寺です。私は奈良派なんです』
『そうなんだ…ますます楽しみになってきた。頑張って仕事するからね』
長谷寺か…柿の葉寿司とか有名だよね
私は夕飯に、近くのスーパーでバッテラを買ってきて食べた
単純…
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