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なのに…なんでこの人は私を抱くのだろう
激しく優しく、私を包んでくれる
ホテルの中で私達はなんの会話もしないで抱き合った
すごくズルイ…沢村太郎の事どうしろっていうの?
『ごめん…』私から離れると、市松さんはそう言った
『こんな風になるなら、沢村君を私に近づけないで』
『そうだよな、俺言ってる事としてる事全然違うよな』
『私は先生みたいに器用じゃないから…うまく立ち回り出来ないんです』
『今日は俺どうかしてる。藍原ちゃんがさ…なんか女神に見えたんだ』
『女神?』
『湯たんぽの女神』と市松さんは笑った
『喧嘩して…へこんでたんですか?』
『うん、結構』
『私で楽になりましたか?』
『なったよ…太郎には悪いけど。結局俺は自分の事しか考えてないんだよ。太郎の事言いながらも、藍原ちゃん抱いて…自分の欲求満たしてる。最悪のナルシストだ』
市松さんがこんな事私の前で言うなんて…
私は思わず後ろから彼を抱きしめた
『大丈夫…先生はそれが売りなんだから。大丈夫…』
市松さんはクスリと、笑うとまたありがとうと言ってくれた
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