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私はホントにいたたまれない!
現実のどろどろした関係が、まるで私の小説のように思えた
『先生…ホントに私帰りますから二人で話しあいしてくださいよ』
『ところで京四郎、この人誰?』
『俺の仲間だ。飯食いに行ってた。藍原ちゃん帰る必要ないぞ』
そんなぁ…
痴話喧嘩に私巻き込まないでよ…
『とにかく旦那と喧嘩したとかで、うちに転がりこむのやめてくれ!迷惑なんだよ、もう』
『こんな雪の中私をほおりだすわけ?ひっどい!』
『タクシーで帰れ。今電話するから』
『なによ!今までなら好きなだけ居てもいいって言ったくせに』
『…もう終わったんだ。不倫なんて長く続くもんじゃない。今日できっぱり縁切ろう』
市松さんは真面目な顔で猫女を見つめた
彼女はしばらく黙っていたけど、自分でタクシーを呼び、猫を抱き上げた
『もう二度とこないから。安心してよ…』と言葉を残すと、でていった
私はハラハラしながら二人のやり取りを見ていた
『ごめん…恥ずかしいとこみせたな』
市松さんは私に暖かいホットミルクを入れてくれた
『泊まってっていいから。泊まりたくないか?』
『泊まります。先生元気ないし…よかったら話し聞きますよ』
私のメガネはホットミルクの湯気で真っ白になった
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