第三章 怒りと哀しみと…

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「…少し待ってましょう。多分、また上がってくるから」 真希の言葉通り、数分後に再びドアが開かれた。 「さあ、どうぞ。お代わりは遠慮なく、声をかけてね」 お盆に紅茶とお菓子を乗せて、母親が黒月に言う。 「あ、ありがとうございます。あの、別にお構い無く…」 「いいから、いいから。男の子が遠慮しないの」 「はぁ…、すいません」 黒月も、どう対応していいか、持て余しているようだった。 「それじゃまた」 それだけ言い残して、また階下へと降りて行った。
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