第三章 怒りと哀しみと…

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「ちょっと待ってよ!歴史の授業でちょっと聞いた気もするけど、今の時代にそんなのって・・・」 「皆無じゃないさ」 「え?」 「"奴隷"って言葉を用いていないだけで、そんな扱いを受けている人たちはまだいるよ」 「そんなっ!」 黒月の言葉は、二人にとって刺激が強すぎるのか、段々と口調が感情的になっている。 その様子を見ながら、黒月は所々間をもたせて話を続ける。 「話を元に戻すよ。データの内容はそれだけじゃなくて、売り手、買い手、移動ルートまでしっかりとリスト化されている」 「・・・つまり?」 「このディスクだけで、その人たちを一網打尽にできるってことですか?」
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