第三章 怒りと哀しみと…

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真希の問いかけるような答えに、黒月は頷く。 「もちろん、証拠や裏付けは必要だろうけどね」 「これが証拠にはならないの?」 「データだけだと無理だよ。データと合った事実がないことには、ね」 「・・・兄は、この組織を摘発するために?」 真希が黒月に問う。 「多分ね。ただ、途中で連中に気付かれた」 「それで・・・殺されたんですか・・・」 真希の言葉に怒りや悲しみの感情が込められていた。 美樹は声をかけられず、ただ隣の友人を気遣って見ているしかできなかった。
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