第三章 怒りと哀しみと…

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「どういうこと?」 「望さんの"能力"なら、通常は相手に気付かれることなく作業をこなせたはずだから」 「そうなの?」 「だからこそ、重要なポストについていたんだけどね」 二人の会話が耳に入っていないのか、真希はうつむいたままジッとしている。 「まぁ、わからないことは他にもいくつかあるんだけどね」 「へ?」 「やつらがこのデータを必死になって追いかける理由がわからない」 「だって、このデータが警察とかに渡ったら、自分たちが捕まえられちゃうじゃない」 美樹が、何を当然のことをといった様子で答える。 「データが見られればの話だろ、それは」
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